岩本譲二さんは鉄道や『戦闘機』が好きです。
子供の頃に見た映画の「ライトスタッフ」や「トップガン」などでその美しさに魅了され、日本国内では自衛隊の航空祭や米軍のイベントを見に行ったり日常の訓練を目の当たりにするにつけ、どんどん惹かれていきました。
無駄をそぎ落とされた金属の機体の美しいフォルムと操縦者の知力・体力、その技量のギリギリまでフルに引き出し、まるで同化して飛ぶ生き物のような姿には大いなるロマンを感じます。
いろいろ調べていくうちに、現在主流のジェット戦闘機だけでなく、ライト兄弟の時代の飛行機の開発の黎明期だったり、二度の世界大戦、さらに冷戦やベトナム戦争などの様々な歴史を戦闘機を通して見直したり、方々で繰り返された航空機を運用した戦闘を検証するなど、趣味としても世界が広がっていきました。
各国の航空機・戦闘機の開発の歴史からはそのお国柄や当時の世界情勢が如実に浮き彫りにされており、学校で学んだこと以上に様々なことを学べたと思いました。
また、現代のようにコンピューターでシミュレーションをすることが無かった時代に作られた機体の設計思想やフォルムのユニークさ、そしてそういった機体を最初に飛ばすテストパイロットの勇気と技量には胸が熱くなるものがあります。
そんな命がけの試行錯誤を繰り返した結果、現在世界中を飛んでいる数々の機種は人知を超えた存在となりつつあります。
現代でも爆撃機としての任務を帯びて飛ぶ場合も・・・
また、残念なことに、現在に至るまで、世界中のどこかで実務として航空戦は行われています。
爆撃機としての任務を帯びて飛ぶ場合もあり、そういう意味では軽々しく「好き」と口に出して言うことが難しくなる情勢もあります。
しかし、インターネットが発達して様々な情報が増えたこと、東日本大震災などを経て自衛隊や米軍という組織への一般からの理解が進んだことなどもあり、そういった分野を取り巻く情勢や感情も随分と変わってきたと実感しています。
また、大きく変わったといえば、メディア側からの取りあげ方です。
20数年前には、かろうじて小説や漫画などでは自衛隊を舞台にしたり好意的にその世界を描く作品がありましたが、一般に目に触れやすい地上波や映画作品ではそういうふうに取り上げられることは少なく、また公開も難しいものでした。
さらに、テーマが政治的なものであったりすると実際の航空部隊を描写するのに航空自衛隊側の撮影協力などを得ることが難しくなったりして、リアルさや緻密さが欠けた映像になってしまうことも多々あり、ファンとしては歯がゆい思いもありましたが。
昨今では航空自衛隊を舞台にした小説から広報をテーマにしたドラマが作成され、大変好意的に描かれたこともあり、自衛隊の広報担当者も柔軟な対応をするようになってきたせいか、随分と取り扱われる機会が増えた気がしています。
戦闘機が取り扱われる機会が増えたのは喜ばしい
また、その捉え方が好意的かつリアル路線が多く、それを観て、知って、新たに参入してくれるファンが増えるのは、古参としてはとても喜ばしいことです。
かつては飛行機好きというと写真を媒体にして活動する人がほとんどでしたが、現在は動画を撮る人も増え、また、インターネットのSNSや掲示板、ブログなどを通して自分だけでなく、ファン同士で交流して楽しむ人たちも増えています。
かつてはなかなかそういったネットワークを構築できず、航空祭や撮影会などのイベントで細々と交流を図るのがせいぜいでしたが、今では年齢性別問わず世界中で一足飛びにつながることができるのは興味深いです。
さて、この春から航空自衛隊の岐阜基地を舞台にしたテレビアニメが放映されることとなりました。
戦闘機をモチーフにしたファンタジーではありますが、実際の基地を丁寧に取材したうえで作成されているようで、航空機だけでなく操縦士や現場で働く隊員たちの姿は実に活き活きと描かれています。
製作しているのが、話題作であった『シン・ゴジラ』の樋口正嗣監督ということもあり、その描写は正統派のファンをもうならせる出来栄えです。
そういった作品を作る余地があるということは、まず今の日本が(とりあえずは)平和であるが故でしょう。
ファンは、戦争が好きなのではありません。
できれば永遠に、実務で飛ぶことが無いのが心からの願いです。
まとめ
技術がどんどん進み、また新たな世代の機体がリリースされ、日本にも配備される流れになっています。
新たな美しい機体が飛ぶのを見てみたい、と思いますが、それらが実際に空戦を行うことは絶対にしてほしくはありません。
青い空に、翼端から白い航跡を引いて飛ぶ美しい飛行機たちがその耐用年数に至るまで何事もなく、そして厳しい訓練を積んだ操縦士たちが皆無事に定年退官の日を迎えられるように、ということを、私たち戦闘機のファンは心から望んでやまないのです。
これからも、滑走路が見える場所からフェンス越しに彼らを眺めることを続け、日本が平和であることを願い続けていくことでしょう。
最終更新日 2025年5月15日 by ewbcjp