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長岡石油さんのまとめ。私たちの暮らしと石油工場の関わり

日本は、世界の中でも石油の使用料が多いことで知られており、私たちが、日常的に利用している物の中にも、合成繊維やプラスチック、ゴムなど、様々な石油製品が含まれています。

もはや、これらの製品は私たちに必要不可欠な存在になっています。

今回は、私たちの暮らしにどのように石油工場が関わっているのかを説明していきます。

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⒈サウジアラビアやUAEといった中東から輸入

日本では、原油を主にサウジアラビアやUAEといった中東から輸入し、硫黄や窒素、酸素などの不要物を取り除いた状態で取引をし、一度で約30万トン運ぶことが出来る原油タンカーで輸送します。

その後、北海道の苫小牧と宮城県の仙台を除いた関東から伊勢湾までの太平洋岸と瀬戸内海にある、いわゆる「太平洋ベルト地帯」と呼ばれる工業地帯に運ばれます。

日本には、原油を精製する「製油所」と呼ばれる工場が、全国におよそ20ヶ所存在しており、全ての製油所で一日におよそ390万バレル以上を常圧蒸留装置によって処理されています。

1バレルはおよそ160リットルなので、想像がつかない程の量の原油を処理していることになります。

私たちが普段身近に接しているガソリンやアスファルトなどは、成分の収率が決まっているため、それだけを単独で作ることが不可能なので、原油から石油製品を精製する時は、原油に含まれている成分や構成比をよく理解しながら、生産する様々な製品の構成や数量を考えて、一度であらゆる製品を作っていきます。

 

⒉精製する流れ

精製する流れとしては、大きく分けて、蒸留、改質、分解、脱硫の4工程があります。

 

●蒸留

まず、最初に行う蒸留で、常圧蒸留装置にある加熱炉で約350度まで加熱して、蒸気にします。

ここでは、沸点の違いによって各成分がトレイ分けされた場所へ分散される仕組みになっています。

この装置では、上から沸点の低い順番に、ガス、ガソリン、灯油、軽油、重油の5つの物質に分かれるようになっています。

沸点が30度から180度でガソリンになり、170度から250度で灯油、240度から350度で軽油になります。

そして、蒸留塔に残った物質が、アスファルトや重油になります。

私たちが普段よく見かけるガソリンには色がついていますが、元々、灯油とガソリンは無色透明なので、灯油とガソリンとの見分けがつくように、後からガソリンにはオレンジ色に色付けされているのです。

 

●改質

次に改質という作業を行います。

ここでは、オクタン価の数値を向上させるために、ガソリンの分子の構造を変えています。

蒸留したばかりのガソリンには、オクタン価の低いシクロアルカンやパラフィンが主な成分で、オクタン価が40から50程度とガソリンとしてはあまり優れていないため、水素化脱硫処理をして、触媒毒の原因となる金属や硫黄、窒素などの不要物を取り除き、500度の接触改質装置の中で、芳香族炭化水素が主成分の改質ガソリンに変化させていきます。

エンジンの不完全燃焼によって発生する異常音の起こりにくさを示す指数をオクタン価と呼び、これらの作業は付加価値と製品の品質を向上させるために行っています。

私たちの安全に深く関わっている非常に重要な過程と言えます。

 

●分解

次に行われる分解という作業では、高オクタン価のガソリンなどを増産させることを目的に、重油などの炭素分子を切り離すことによって、沸点の高い炭化水素を沸点の低い炭化水素に転化させています。

分解装置には、主に3種類あり、水素の気流中で触媒利用する水素化分解と触媒を利用した接触分解、高温の下で分解される熱分解があります。

現在では、ガソリンの収率が高く、分解後のオクタン価が高い接触分解が一番多く使われています。

暮らしに欠かすことの出来ない高オクタン価のガソリンを生産するのには、非常に欠かすことの出来ない作業とも言えます。

 

●脱硫

最後に行われる作業として、脱硫という過程があり、原料や製品に含まれる硫黄成分を除去する作業を行っています。

特にガソリンは硫黄成分が多く含まれていると、加鉛効果が低下してしまい、重油では、燃焼の時に亜硫酸ガスと呼ばれる有害ガスを発生させてしまうため、この作業は環境への影響を考えると非常に重要です。

特に、航空や船舶部門では排出ガスの規制が進んでいるため、超低硫黄軽油を含んだ低硫黄燃料は環境汚染の対策に必要不可欠と言えます。

脱硫は、各種の触媒やアミン吸収、水素化脱硫装置を使用して硫黄成分を低減させていきます。

この過程を、超深度脱硫や高深度脱硫と呼んでいます。

これらの脱硫装置を利用した脱硫作業は、公害問題が出てきた1960年代から行われ始め、今後は東南アジアや中国などの国にも浸透していくとみられています。

硫黄は、環境汚染だけではなく、ぜんそくや冬に多く使用されるストーブの燃焼や劣化にも影響してくるので、実は私たちの暮らしに密接に関係しています。

日本では、脱硫は非常に重要な業務で、欠かすことの出来ない作業なのです。

このように、石油工場は、私たちの暮らしに切っても切れない関係と言えます。

最終更新日 2025年5月15日 by ewbcjp