電気を貯めたり繰り返し使える蓄電池は、環境負荷や資源の節約が叫ばれる昨今において、特に注目が集まっているといえます。
その歴史は1800年代後半にまで遡り、フランス人の研究者によって開発された鉛の電池が最初といわれています。
日本においても試作に成功していて、日本を含む世界で実用化が行われたり普及することになりました。
日本のエネルギー企業であるエスコシステムズも蓄電池の大切さを強調しています。
目次
小型化が進み安全性が高まった蓄電池
1900年代に入ると自動車用のニーズが高まり、密閉形の小型シールタイプの登場によって、更に用途が広がりました。
小型化が進み安全性が高まったことで、ポータブルな製品にも普及することになります。
しかし鉛を使用する蓄電池は、その性質上他のタイプと比べて小型化が難しく、破損時に漏れ出す希硫酸の問題もあります。
近年モバイル機器を中心に普及している主流のリチウムイオンタイプは、軽量で小型化しやすく、容量を増やしやすいといった点が強みです。
エネルギー密度が高いので、小さくても長時間機器を使うことができますし、形状の設計に柔軟性があることから、薄型機器の狭いスペースに収まります。
小型でモバイル機器や電子機器との相性の良さでいえばリチウムイオン
繰り返し充電と放電しても劣化しにくく、5年10年といった長寿命に期待できるのも魅力です。
エネルギー密度の高さにより、破損時のリスクがあるのは確かですが、安全性を高める研究が続けられています。
歴史の古さや信頼性の意味では鉛蓄電池に軍配が上がりますが、小型でモバイル機器や電子機器との相性の良さでいえばリチウムイオンです。
鉛は自動車のバッテリー、停電時に備えるバックアップ電源向きで、太陽光発電システムとも相性が良いです。
ニッケル水素電池は寿命が10年未満と短い
ニッケル水素電池は、リチウムイオンが実用化され普及する前の主役で、乾電池のように使えることが強みでした。
繰り返し使える点は他のタイプと同様ですが、寿命が10年未満と短く、早ければ5年ほどで劣化して使えなくなるのが難点です。
エネルギー密度はリチウムイオンの方が高いので、高い電圧や大容量を求めにくいのも気になるところです。
メリットはニカド電池より容量を増やしやすいこと、環境負荷を抑えることができたり、破損時の危険性が少ないことが挙げられます。
自己放電しにくいので、充電して長期間放置したものでも問題なく使えることが多いです。
つまり、乾電池のように使えることは理にかなっていますし、災害に備えて用意しておくと助かるのも確かです。
可能性を秘める次世代の電池、NAS電池の特徴
NAS電池は鉛蓄電池と同等、あるいはそれ以上の可能性を秘める次世代の電池です。
繰り返し使える回数が他のどのタイプよりも多く、寿命は15年くらいと長いのが特徴です。
エネルギー密度の高さも併せ持つので、小型でも大容量化しやすく、設置スペースを圧迫しにくいです。
ただし、危険物に該当するナトリウムや硫黄を含むので、安全に使用できる環境と設備がなければ使えないのが難点です。
今のところ一般家庭向けではなく、工場を始めとした施設のバックアップ電源の用途が主流です。
温度を一定に保たなくてはいけないので、そこが一般家庭に向かないこと、この課題のクリアが普及の鍵を握っているといえるでしょう。
蓄電池の選定におけるポイント
このように蓄電池は種類が様々で特徴も異なりますが、適した用途や分かりやすい違いがありますから、目的が決まっていれば選びやすいはずです。
選定におけるポイントはいくつかありますが、大きさは用途に直結するので、大きさで絞り込めば簡単に候補が見つかります。
次に容量で、消費する電力や使いたい時間を設定すれば、更に絞り込むことができるでしょう。
それから耐用年数もポイントで、どれくらいの期間使えるかを念頭に、期待できる寿命から候補を選定すると効率的です。
頻繁な買い替えを要するとなるとコストが掛かりますし、環境負荷も高まるので本末転倒です。
理想は長寿命で5年や10年持つことですが、これは充電の頻度にもよります。
現在幅広く活躍しているリチウムイオンは、繰り返し使える回数と寿命のバランスが良いので、広く普及しているのも頷けます。
持ち運ぶか設置するかによって選べるサイズが違う
蓄電池は持ち運ぶか設置するかによって、選べるサイズが違ってきます。
鉛は重くサイズが大きいですから、必然的にモバイル用途からは外れます。
車載が前提なら持ち運べなくもないですが、普通は家庭などに設置して使うのが一般的です。
逆にリチウムイオンはモバイル用途に実用的なので、設置型やモバイル電源などタイプが充実しています。
設置型はある程度大きくても構わないので、大容量化しやすいです。
モバイル電源はモバイルバッテリーの進化版で、コンセントを搭載していて家庭用の家電がそのまま使えるのがポイントです。
大電流を消費するような家電には不向きですが、小型のテレビや扇風機くらいなら余裕です。
まとめ
USBやDC出力を備えるモバイル電源が多いですから、スマホの充電をしたりACアダプターで動作する機器も使えます。
改めて確認すると、期待の次世代電池も登場していますが、現在はリチウムイオンタイプの活躍がめざましく、用途によって鉛タイプと使い分けられていることが分かります。
エスコシステムズ蓄電池も参考
最終更新日 2025年5月15日 by ewbcjp